6月ももう終わりですね。7月に入ると、すぐ半夏生や七夕、
土用の丑の日 が来ますね。
季節の変わり目のことを「土用」と呼び、「土用の丑にはうなぎを食べる」という食習慣などでよく知られていますね。では、梅雨の終わりの「半夏生(はんげしょう)」をご存知でしょうか。
半夏生は、江戸時代の農民たちが大切にしてきた雑節のひとつ。何とも不思議な名前ですが、次の季節を心地よく迎えるための習わしであるとともに、奥深い意味が込められているんです。半夏生の時期や意味、タコを食べるともされています。
それはそうと、半夏生の時期に毒が降ってくるなんて、何とも恐ろしい話ですよね。この話が生まれた理由は諸説ありますが、この時期に生える「半夏」という植物にも深い関わりがあります。
半夏とは「カラスノビシャク」とも呼ばれるサトイモ科の植物のことで、この植物に毒があることに由来しているのだとか(実際には、半夏は生薬にも使われる薬草であり、薬にも毒にもなる植物ということです)。
「ハンゲショウ」というドクダミ科の植物もあります。名前は似ていますが、先ほどの半夏とは全く違う植物です。その名前の由来としては「半夏生の季節に花が咲くから」という説もありますが、「お化粧を半分だけしているように見えるから」という説もあります。たしかに眺めてみると、部分的に白く染まっていますが、残りは緑色のまま。一度見ると必ずや記憶に残る、味わい深くて興味深い植物だなぁと感じます。
半夏生の時期になると、地元のスーパーなどではタコが並び始めるようになります。これは「タコの足のようにしっかり根付くように」という意味があり、関西地方で始まったもの。
他にも半夏生ならではのものとして、神様への感謝と農作業の労をねぎらうという意味から、全国各地でさまざまな行事が行われています。半夏生の時期は、ちょうど麦の収穫期にあたることから、麦を使った行事も多くあります。
半夏生は、一年の前半が過ぎて、暑い夏に向けて体調を整えたい時期でもあります。農作業に従事していない人も、この時期には休息や栄養をしっかりと確保したいですね。
ドクダミは昔から「体内の毒素を排出し血液をきれいにする」と言われてきた植物。乾燥させることで独特の臭いも和らぐので飲みやすく、この時期の身体にもぴったりだなぁと感じています。番茶などとブレンドしても美味しくいただけます。
こちらがドクダミ。ハンゲショウにも少し似ています。私は庭先のドクダミを摘んで乾燥させたものを使っていますが、道の駅やオンライン通販などでも「ドクダミ茶」として販売されています。